IMITATION LOVELESS -Remember-
要の一言に憐は一瞬反応を見せるが、直ぐに目を座らせる。
その瞳が気に入らないのか要は立ち上がると、憐の細い喉を鷲掴みにする。
「ぁ…!」
「貴様が優夜と刹那をたぶらかしたりしなければ…二年前に 貴様を排除できたのに……」
要の手の力が強くなる。
強く締め付けられ、憐は噎せ返ってしまう。
「あいつらの記憶を奪って、ようやく正気に戻してやったのに…」
要は俯きながら腕を震わせる。
しかし、顔を上げたときにはにこやかだった。
「貴様も物好きだな、あんな操り人形なんかに惚れ込むなんてな…」
「…ふ、ざけないで……!」
憐は息の吸えない喉から声を絞り出す。