IMITATION LOVELESS -Remember-
【いやだ、忘れたくない…!】
【止めろ、止めろぉ!!】
【―…!!】
『狂ってしまいそう…―。』
『亡くしてしまったモノは何…―?』
「っ!!」
「…ッ!!」
優夜と刹那は悲痛に苦しむ顔を上げた。
綺麗な髪が揺らめく。
二人の汗が飛び散る。
「……わ、からない…」
「何か…を……、」
優夜と刹那の頭痛が漸く治まった。
激しく息を切らしている二人から解放された憐の手首は赤くなっていった。
「優夜? 刹那?」
「「れん……?」」
二人は虚ろな瞳で心配そうな憐に視線を向ける。
二人の頬に一筋の涙が溢れた。