IMITATION LOVELESS -Remember-
憐の鈴のような声に二人は体が癒されていくのを感じていた。
伏せられた瞳は影がかかり暗色に塗り潰されている。
「……憐」
「ん?」
「……その、ロケット」
刹那が憐の首に下げられているロケットを指差す。
憐はロケットを大切そうに握りしめると小さく呟いた。
「二年前に…一番愛しかった人達に、貰ったの…」
「…一番」
「愛しかった人達…?」
憐の言葉に二人は顔を歪ませる。
憐を睨み付けるような瞳には光が差し込まない。
何かを恐れるように、優夜と刹那は微かに肩を震わせる。
「……そう、愛しい人達」