IMITATION LOVELESS -Remember-
二人は機嫌が悪そうに舌打ちをしてから憐を見つめる。
その目は憐を睨み付けているようだった。
「一番 愛しい人達って どんな人だったの?」
不意の優夜の質問に憐は面食らってしまった。
数秒悩んだ末、憐は重そうに唇を動かした。
「二人と……そっくりなんだよ?」
「そっくり?」
「俺達と?」
憐は頷くとロケットを見つめながら話す。
"そっくり"
その単語を耳にした途端、二人の顔が激しい憎しみの色に変わった。
「二人みたいに…優しくて、かっこよくて……」
「……それって、好きな奴と俺達を重ねてるってこと?」
「え…?」
憐は優夜の思わぬ言葉に目を見開く。