IMITATION LOVELESS -Remember-
『何があっても…忘れない…』
『―と過ごしたこの…、鮮やかな季節-トキ-と…、思い出を、』
「……っ!」
「っ…!」
憐に名前を呼ばれた瞬間、優夜と刹那は頭を抱えた。
痛いわけではない。
何かが頭をよぎった。
「「………れん?」」
「…? 優夜? 刹那?」
優夜と刹那は艶-アデ-やかな憐の顔を見つめる。
すると一滴の涙を溢した。
「……ごめん、怖い思いさせて」
「…重ねられるのが、嫌だったんだ」
二人は動かなくなってしまった憐の体を抱き締めながら呟いた。
「おねがい…、」
「俺達だけを見てくれ…」
二人は憐を抱き締める腕の力を強くする。
「【俺たちの手の届く場所に居て…、名前を呼んで…―?】」
「【居なくならないで…、忘れている…何を思い出すまで―。】」
苦しげに囁かれた言葉に、憐は鮮やかな笑顔で答えた。
「【何度でも…貴方の名前、呼ぶから……、思い出して欲しくて…―。】」