IMITATION LOVELESS -Remember-
『いやぁあ!!!
優夜ぁ!! 刹那ぁ!!』
【少女の悲痛の叫びを遮るように、入口の扉が乱暴に閉ざされた。】
『…ここを 護るのが 俺達の召使いとしての、…最期の仕事だ…』
『……ん』
優夜と刹那は激しい雨音に睡眠を邪魔され、ベッドの上で目を覚ました。
憐を迎えて二度目の朝。
二人は雨音以外聞こえない部屋の中、隣で眠る憐の顔を見た。
夢のなかで叫んでいた少女の声。
「【何度でも…貴方の名前、呼ぶから……、思い出して欲しくて…―。】」
昨日の憐の声。
二つの声は同じ可憐さに、同じ心地よさだった。