IMITATION LOVELESS -Remember-
瞼を閉じて思い出す。
夢のなかで叫んでいた少女の声を。
『いやぁあ!!!
優夜ぁ!! 刹那ぁ!!』
心の奥底がズキン…と痛んだ二人。
「……痛い、」
「…っ」
前のような頭痛とは違う痛みが二人を襲う。
頭ではない、胸の痛み…。
誰かが、自分達の名前を必死に呼んでいる。
その声は、まるで誰よりも愛しい人との別れのような 悲痛な叫びだった。
「……刹那、」
「なんだ?」
優夜は上半身を起き上がらせながら刹那の名前を囁いた。
何も纏っていない優夜の体は微かに汗ばんでいた。