IMITATION LOVELESS -Remember-
「俺達が忘れてる大切なモノって…、憐だったりしない?」
優夜の質問に刹那は黙り込んでしまった。
顔にかかる前髪を掻き上げながら体を起こす。
「……そんなわけ、」
「無いとは言えないんじゃないの? 現に、憐と会ってから……変な頭痛が続いてるし…」
優夜は何も着ていない刹那を見つめる。
引き締まった体には所々 汗が浮かび上がっていた。
「……」
「…刹那」
「…うるさい」
刹那はベッドから降りると置いてあったシャツに袖を通す。
ズボンを履くと鋭い視線で優夜を睨み付ける。