IMITATION LOVELESS -Remember-
「刹那…」
「なんだ?」
甘えたげな憐の瞳に刹那は不覚にもときめいた。
心が高鳴る感覚に頬をほんのりと紅潮させる。
「……憐 服を着ろ」
刹那は毛布から覗く憐の素肌を見て顔を反らした。
ハンガーにかけてあった憐の服を取り、憐に手渡した。
その時も顔を反らしたままだった。
「……刹那?」
憐は服に袖を通しながら刹那を見上げる。
こちらを向いてくれない刹那の裾を憐は弱々しく引っ張る。
「…はぁ、なんだ?」
「寂しいから…こっち向いて?」