IMITATION LOVELESS -Remember-
刹那は憐の囁きに苦笑い。
困ったようにため息をつきながらも口元は弧を描いていた。
「憐は欲張りだな…」
「…」
刹那は不敵な笑みを浮かべながら憐の唇に人差し指を滑らせる。
唇をなぞられ、憐は口を薄く開く。
中に覗く赤い舌はキャンディーのようだった。
「……」
「憐?」
刹那の大きな手が憐の頭を撫でる。
擽ったそうに憐は微笑む。
嬉しそうな、幸せそうな……、しかし どこか辛そうな笑顔だった。