IMITATION LOVELESS -Remember-


「……ん」


憐は力無く頷いた。
瞳から一滴、真っ赤な涙を溢してから 二人の手を掴む。

そのまま 二人の手を自分の首に誘導する。


「…僕を殺して?」

「「!?」」


優夜と刹那は目を見開き硬直してしまう。


「……れ…、」


―ズギンッ


「あっ!!」
「ッ……ぁ!!」


『この状況じゃ逃げられないし、何より、早く……死にたかったら…』

【二人が俯いていると、少女が泣きながら優夜に抱き着いてきた。】

『姫様?』
『だから…早く殺して……お願い…』

【少女は優夜の背中に腕を回し、すがり付くように何度も"殺して"と呟いている。】


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