IMITATION LOVELESS -Remember-
「気分転換に 薔薇園でも見に行かないか?」
憐は薔薇園という単語に反応した。
二人と写真を、思い出を作った場所。
そして、思いを伝え合った場所。
「…………行く」
憐は隣に座る優夜の袖を掴みながら小さく頷いた。
優夜は袖を掴まれた理由がわからずきょとん、としている。
「薔薇、嫌い?」
「んん…スキ」
優夜は"よかった…"と囁きながら微笑んだ。
優しくも夜空のような冷たさが含んだ微笑みだった。
「じゃ、行くぞ」
刹那が扉を開けると、優夜が立ち上がり 憐に左手を差し出した。
同時に刹那も右手を差し伸べる。
「「Now Please hand a transitory princess?」」
(さぁ お手をどうぞ 儚いお姫様?)
「Yes Mr. domestic of favorite falsehood」
(はい 大好きな偽りの召使いさん)