IMITATION LOVELESS -Remember-
朝から降り続いていた雨は休憩とばかりに大人しくなっていた。
雲の切れ間から差し込む光が薔薇園をきらびやかに彩っていた。
赤、黄、白 様々な薔薇が咲き誇る花園を見た憐は言葉を失ってしまった。
二年前と同じくらい、それ以上に美しかった。
自分が世話をしていたときより鮮やかだった。
「ここは なぜか無くしてはイケナイ気がしていたんだ…」
「だから 毎日、俺達で世話してるんだ」
優夜と刹那は憐に笑いかけてから彼女細い手首を柔らかく掴み、引き寄せる。
「あそこ、見てよ」
「あ…」
「綺麗だろ?」