嘘みたいな恋模様

ザワッ

"雪代"が教室に入ってきた瞬間、教室内にいた生徒は急にざわめきだした。

それもそのはず。

その"雪代"は、すんげぇ美少女だったから。

「雪代、自己紹介をしてもらえるか?」

「はい。えと、雪代紫苑です。んまぁ・・・よろしく。」

そう言って、雪代紫苑はぺこりとお辞儀をした。

高すぎず、低すぎず、聞き入ってしまうような声だった。

身長は、まぁ普通ってとこ。

別に格別チビってわけでもねぇし、でかいって言うと少し言い過ぎ。

白い肌に、ぱっちりとした目。

適当に後ろに流した茶色がかった髪は、背中の真ん中くらいまである。

「なぁ、アイツ、めっちゃ可愛くねぇか!?」

「わかるわかる!!俺めっちゃタイプだ!!」

教室の一角から男子の話し声が聞こえてくる。

「ねぇねぇっ、紫苑ちゃんってなんかちょっと格好良くない!?」

「それ思った!!よろしく、の言い方がなんか男らしいってゆうか・・・」

なんだ?

女子まで騒いで・・・・

「隼人、おもしろそうな子が来たね。」

隣に座る瑠威が、にやにやとしながらこちらを見てくる。

「あぁ・・・。」

つまらねぇと思っていた高校生活が、少しは楽しくなりそうだ。
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