my sweet love
「ゆず大丈夫か?
疲れただろ」
「うん」
私がそう言うと
また龍の手がおでこに来て
熱を確認した
「少しは下がったな
帰ったら解熱剤入れような」
「えっ?」
「解熱剤入れて
盲腸は薬で何とかしよう」
「うん…」
「心配するな
大丈夫だから」
そういわれた瞬間
私のお腹に激痛が走った
「いっつー…」
「腹か?」
「だい…じょうぶ」
「な訳ないだろ!」
「さっきより…弱いから…
だいじょうぶ…」
そう伝えると龍は車を止めず
優しく声をかけてくれた
「ゆっくり深呼吸な
すーはーすーはー」
しばらく龍の呼吸を
真似してやっていたら
痛みもだんだん緩和してきた
手を離すときも今までより
痛くなくなってきていた
「ふぅー」
「治まったか?」
「うんもう平気
さっきより痛くなかったよ」
「薬が利いてるからかな?
でも油断は禁物だぞ」
「分かってるよ
治り掛かってるのかな?」
「そうかもしれないな
盲腸は早くて一週間位で
治るからな」
「そうなんだ」