それは舞い散る桜のように




……いきなり響いてきた声は恐らく曲がり角の先から。

「俺のこと嫌いなら嫌いで好きにしろよ!けど検査ぐらいちゃんと受けろって言ってるんだよ!」

低い男の人の声と、甲高い、女の子の声だ……。両方、ものすごく怒っているのが聞くだけで分かった。


「何で?検査なんて受けたってどうせ悪くなってるだけでしょっ!?もう、離してよっ!日向先生なんて大っ嫌い!」


うわぁ。なんか、修羅場だ……。
立ち会いたくない……。


そう思っていたらー


「ーちょっ、待てよー理緒っ!!」


曲がり角から、突然女の子が飛び出してきた。

あ。凄い……可愛い子……。

一瞬、そう思う暇があって、



それから、私は彼女と思いっきりぶつかって、


白い床に思いっきり頭を打ち付けていた。







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