それは舞い散る桜のように
再会
「やっと終わったー!!」
大きく伸びをしながらそう痛快に叫んだ。
今日は、数学の補習があって、7時まで拘束されていたのだ。
けれどお陰でなんとか微分が分かるようになってきた気がする。
私は使っていたノートと問題集を閉じると、それを鞄に押し込み、持ち上げる。
「来週から積分やるからなー!
微分分からないとまた置いてかれるぞ」
先生の耳が痛くなるような話を聞き流し、
「結衣ー!一緒に帰ろーっ」
そう、友達の桐原結衣を誘った。
結衣とは中学から一緒で、今はクラスが同じ。星安の内部生は60名程度で、皆それなりに仲はいいのだけれど、その中でも結衣とは一際仲がいいと思う。
結衣はうん、と頷き、私たちは教室を後にした。