それは舞い散る桜のように
白い病室
覚悟していたのだけれど、
部屋に入るとものすごく変な目で見られた。
大きな瞳からつい目をそらしたくなるのを抑えて、
「ええっと……こんばんは……?」
と、とりあえずぎごちない声を震わせつつ言ってみる。
……少しの沈黙。
ようやく口を開いてくれた、と思ったら、
「……部屋、間違ってない?」
などという、至極当然のような返事が返ってきた。
首を横に振って答える。
大きな目がさらに見開かれる。
「……ええっと。じゃあ、私に、何の用……でしょう」