眼鏡男子の裏の顔
……そろそろ帰ってくれたかな?
はぁー、でもあんな事するなんて信じられない。思い出しただけでも腹立つ。

「琴ちゃん大丈夫かい?」

隣のおばちゃんとは知り合いで時々ここに来ている。

「はい。どうもかくまって頂きありがとうございました!」

「かくまってって何かしたのかい?」

「えっ、何もしてませんよっ!心配しないで下さい!じゃあそろそろ失礼します。おやすみなさい!」

「ゆっくり寝なさいねぇー!」

私はお礼を言って外に出て本当の隣の家に帰った。

もしさっきのキスを見られてたらあの人はどうなったか。
だってこの大きな私の家の正体は……。

《お嬢っ!お疲れさんですっ!!》

ヤクザ会では有名な鈴宮組のヤクザ一家。だからキスされたなんて知られたら男どもが黙っていられるか。

組長……おじいちゃん鈴宮三郎(サブロウ)
お父さん……鈴宮四郎(シロウ)
お兄ちゃん……鈴宮五稀(イツキ)
そして私はこの家ただ一人の女。

お母さんは中学卒業の時に他界し、おばあちゃんは私が生まれてすぐ他界したらしい。
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