眼鏡男子の裏の顔
私の琴って名前はお母さんがつけてくれたらしくて、女の子が生まれたら自分が好きな楽器の琴を名付けたかったみたい。
中学卒業の時に他界したので私はお母さんっ子になり男はいっぱいいても男みたいにはならなかった。
だから普通に不良も怖い!
そして待たなくていいって言ってるのにいつも門にいるのがあの6人なんだけど。

《組長のお嬢を見守るのが我々の仕事なんで》

なんて言われて……私は迷惑しているのに。はぁーと溜め息をついて家に入った。

「ただいまー!」

なっ何この音!?
ドドドドドーと地響きのような音が聞こえてくる。

「琴大丈夫かぁー!!!」

走りながら言ってきたのはお兄ちゃん、はぁーはぁー息を切らして突っ立っている。
「遅くなるんだったら遅くなるって電話してこないと駄目じゃないか」

違う扉から出てきて私に注意をしてくるお父さん。

「そこまで遅くないでしょ」

「何言ってるんだ。今夜23時だぞ!」

「兄ちゃん男に何かされたのかと思ったんだからなー!本当っ、遅くなるならこの兄ちゃんに言ってくれよー」

目に涙を浮かばせながら言ってくるお兄ちゃんだけど……嘘泣きなのは分かってます。
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