俺様王子と肉食彼女

トドちゃん

トドちゃん(この時はまだ名前を知らなかった)は暖炉の前に座ってブルブル震えていた。


全身から水をしたたらせて、本物のトドが海から上がったみたいだった。


自分は動物が大好きで、小さい頃から様々な動物を拾ってきた。


この目の前で震えるトドちゃんは、自分が今まで拾ってきた動物の中で一番大きかった。


どれ位あそこでああしていたんだろう?


こんな季節に海に入るなんて、きっと自殺未遂だろうと思った。


だけどあえて何も聞かなかった。


打ち上げられていた時間が少なかったのだろう。


トドちゃんは家のお風呂に入り、自分が作ったお粥を美味しそうに食べた。


体に支障は無いようだ。


それからトドちゃんはずっと家にいる。


あなたは一体いつ海に帰るの?


トドちゃん。
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