うそつき
「それで、ちょうど卒論を控えいて。よかったら、彼に協力してもらいたいと思ってたところなんだよ。」

卒論とかって、よくわからへんけど、橋元はまことを研究材料にしようとしてるんかと思うと腹立った。

「うちが口を挟む事じゃないかもしれないですけど、彼はそういうのキライやと思います。論文とか難しい事は好きじゃないみたいなんで。」

「よく知ってるんだね。」

橋元がニヤリと笑った。バカにされてるのがわかって、もう怒りを抑えきれへんかった。
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