うそつき
「ですから、お嬢様の本名や、今までの生活に関する事がどこかに漏れてしまえば、その方々の先行きは保障できません。お嬢様の個人情報を存じ上げているのは、組織のほんのトップだけです。私も、便宜上、少々の情報をいただきましたが、お嬢様の素性を探れる程のものはいただいておりません。ですから…」

「あ、ちょっと待ってください!」

頭が混乱して、藤村さんが言ってる事のひとつひとつがひっかかった。うちは初めからいなかった事になってるってどういうこと?ほんとに別世界に来たみたいやんか。もうパニックやぁ。それで、気づいたら話を遮ってた。
< 161 / 204 >

この作品をシェア

pagetop