うそつき
流れ星

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まだ梅雨空の6月初め頃から、うちは優等生らしく図書館に通い出した。っていっても、今のままの成績で高校には行けるから、暇を持て余して行ってただけやねんけど。
親の建前上とか、周りの目とか、あれくらいのコは勉強して当然でしょうみたいな目で見られてたから致し方なくって感じやった。最初はほんまに、見飽きた教科書を開いて勉強してたけど、もうどの教科のどのページも暗記しちゃったくらいになって、もうこの月の末には、小説を読みあさってた。
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