うそつき
また彼のボルテージが上がってしまったみたいで、一息ついた頃には日はとっくに暮れてた。

「うわっ、周り真っ暗やん!俺、また喋りすぎてしもたなぁ」

二人で顔を見合わせて笑った。ほんまや。うちもすっかり時間忘れて聞いちゃってたわ。

「智子ちゃん家ってあっち側やんなぁ?暗いし危ないから、大通り出るまで送るわ。」

図書館の向こうの方を指しながら言ってた。公園を抜けて、図書館をちょっといけばすぐ大通りに出る。うちん家はその大通りを渡って5分くらいのとこやった。

「いえ、そんなんいいです。うちも家近所なんで。」

うちの言葉の最後まで聞かないで

「女の子が一人で夜道歩いてるのなんか危ないから。ほらっ。」

ベンチから立ち上がるとすぐにうちの手をひいて歩き出してた。
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