うそつき

3

翌日は日曜日で、図書館は不定期の書庫整理とやらで休みやった。しょうがないから、ちょっと遠くなるけど、本屋まで自転車に乗って行った。そしたら、ジェンダーってコーナーがあって、そこには実際に性同一性障害の人が書いたエッセイとか、ノンフィクション本がいっぱいあった。
でも、実際に読んでみたら、こういう時に差別を受けたとか、クラスに一人の割合で同性愛者、もしくは、自分の性別について不安定に思っている人がいるっていう、昨日の本とそんなに変わらないような、知識的なものしか得られなかった。確かにそういう知識だって必要なのはわかってる。でも、うちが知りたいのは二宮さんの気持ちやもん。同じような人たちはどう思ってるんかっていうのが少しでも知りたかってん。
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