うそつき
授業が終わって、真っ直ぐ公園の方に向かった。もし、今日来てなかったら、また明日来ればいい。明日も来なかったら、来てくれるまで、毎日通えばいい。
気持ちは変に清々しかったのに、空はどんより曇ってた。
図書館を越えた辺りで、ギターの音がはっきり聞こえた。間違いない。二宮さんの弾く音や。
気づいたら走ってた。ほんの数日くらい聞かれへんかっただけやのに、ものすごく懐かしく思えて、泣きそうになった。
やっぱり二宮さんの弾くギターの音は、いつ聞いても心に響く。ちっちゃな鼻歌も、いつも透明や。
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