う さ ぎ
「あんた最悪!何すんの!!?」
あたしは少年に向かって怒鳴った。
だってせっかく人が最期の望みを叶えようとしてたのに、それを邪魔したんだ。
「はっ!?せっかく助けてやったのに何それ。」
「あんたには関係ないでしょ!?」
あたしは少年を見て睨んだ。
しかしその目を見てにらむことができなくなった。
とても真剣な顔をしている。
こんな顔をしている人を見たのは久しぶりだ。
「おまえ何考えてるの?」
「だからあんたには関係ないってば。」
「関係なくないでしょ。人がこっから飛び降りようとしてんのに何もすんなってか?」
「そうよ!何にもしないで!」
つかまれていた腕を振り払った。