う さ ぎ
ああー…。苛々する…。
なんで…。なんで止めるの…?
あたしは今日人生を終わらせるつもりだった。
なのにあの男によって止められた。
結局あの後何も言わないでビルを出てしまった。
あんな瞳をした人はめったにいないだろうなー。
きっと幸せな家庭で育ち、たくさんの友達にかこまれて、幸せな人生をおくってるんだろうな…。
幸せな人は幸せのまま生きるのが一番だ。
あたしは何を考えてるんだ。
もうあの男に会うことはないだろう。
だったら何も思わなくていい。
つめたい風がふく。
少し速く歩いた。
早く家に帰ろう。
家か…。
明日も学校に行かなければいけない。