明日もキミの、そばにいたくて。

そんなことを考えていると、智晴の家の玄関が再び開いて声がした。

「待ってよ、智君っ!」

……女の子の声。
智晴に姉妹なんていなかったはず……、というかいない。
じゃあ、一体誰の声?
しかも、“智君”なんて親しげな感じで……。

「遅ぇよ、遅刻すんぞ?」

出てきたのは、人形のような小動物のような美少女。
薄い茶色のふわふわの天然パーマが、幼げな愛らしい顔にマッチしてる。
――何なんだ、この美少女!
自分の顔を覆いたくなるような気分。

「えーっと……、智晴?」
「智君、この人……?」
「あー、お前ら会ったこと無いんだっけ」

めんどくさそうに、智晴が紹介を始めた。

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