明日もキミの、そばにいたくて。
「で、大丈夫か、凛」
逃げていく坂本さんを見送ると、智晴はくるりと振り返って言った。
そういえばさっき、“大切な幼馴染”って……。
もしかして、心配してきてくれた?
「ほら、帰るぞ」
ぶっきらぼうにそう言うと、智晴はまた向きを変えて歩き出す。
スタスタと歩いていく智晴を追って、私も早足に歩く。
すると、校門を出たところで、智晴は突然立ち止まった。
「どうしたの?」
「お前少しは悟れないかな」
呆れた目で私を見て、溜息をつく。
「三年間通った学校もこれで最後なんだよ。分かる?」
ああ、そっか。
私は智晴の横に並んで、校門の横の大きな桜の木を見つめた。