生まれ変わりの為に…
Α

………


『んで?ココは何ですか?』

私は今、地獄にいる―。
目の前には黒い服、漆黒の髪、紅く燃え盛ってる目。を持ってる男が宙に浮いている。
名前は知らない。
正体なんか知りたくもない。
コイツが言うには、私は死んだらしい。


"此処は死者のみの世界。すなわち貴女も死者である。"


目が覚めたとき、そう言われた。

「ですから、申し上げたはずです。此処は死者のみの世界。」

『だからー!天国?地獄?ってか、どうして私がこんなとこにいなくちゃなんないの?』


「全く、質問の多い方ですね。まず、ここは天国でも地獄でもないです。強いて言うなら、その中間ですね。そして、貴女は既に死んでいます。」


そんなに、冷静に言われても…

『え?私、死んだの?全然覚えてないんですけど。』

「それはそうでしょう。
私が貴女の記憶を少し弄らせていただきましたから。」


……………
はぁ?いま、この人サラッとヒドいこと言ったよね?

『私の記憶どうしたの?』
「死んだ際の記憶は私が抜き取っておきました。」


抜き取る?
この人頭、大丈夫?

『えっ?じゃぁその時の記憶はもう…』
「はい。戻りません。」
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop