生まれ変わりの為に…
Α
………
『んで?ココは何ですか?』
私は今、地獄にいる―。
目の前には黒い服、漆黒の髪、紅く燃え盛ってる目。を持ってる男が宙に浮いている。
名前は知らない。
正体なんか知りたくもない。
コイツが言うには、私は死んだらしい。
"此処は死者のみの世界。すなわち貴女も死者である。"
目が覚めたとき、そう言われた。
「ですから、申し上げたはずです。此処は死者のみの世界。」
『だからー!天国?地獄?ってか、どうして私がこんなとこにいなくちゃなんないの?』
「全く、質問の多い方ですね。まず、ここは天国でも地獄でもないです。強いて言うなら、その中間ですね。そして、貴女は既に死んでいます。」
そんなに、冷静に言われても…
『え?私、死んだの?全然覚えてないんですけど。』
「それはそうでしょう。
私が貴女の記憶を少し弄らせていただきましたから。」
……………
はぁ?いま、この人サラッとヒドいこと言ったよね?
『私の記憶どうしたの?』
「死んだ際の記憶は私が抜き取っておきました。」
抜き取る?
この人頭、大丈夫?
『えっ?じゃぁその時の記憶はもう…』
「はい。戻りません。」