私立聖ブルージョークス女学院2
 だが、そこに映っている制服は明らかにこの学校の物だし、そこに映っている幼さの残る下半身も見覚えがあった。
「九条院さん、これはあなたが自分で自分を撮った写真?」
 そう詰問する環に女生徒は力なくうなずいた。
「こんな物を片山先生の靴箱に入れるなんて、一体どういうつもり?」
「だって!」
 その少女は急に顔を上げて涙目で叫んだ。
「片山先生がもっといい道具がって……あたし、せめて何かお役に立ちたくて」
 ああ、そういう事か。環は彼女に一緒に来るように命じ、前日片山と二人で作業した校舎の屋根への出口まで九条院若菜を連れて行った。屋根裏部屋の蓋を上げて太陽光発電パネルを指差しながら言う。
「九条院さん、あれが何だか分かる?」
「え?ああ、太陽光発電の機械ですか?」
「そう。片山先生が言っていたのは、あれの事です。片山先生自身の『自家発電』じゃありません!仮にそうだとしてもね、あんな写真先生に持たせたら青少年健全育成条例違反で捕まりかねないでしょうが!あなたは片山先生を前科者にする気ですか?!」
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