私立聖ブルージョークス女学院2
September
まだまだ残暑が厳しい中二学期が始まり、始業式がチャペルで行われた。式次第があらから終わったところで、一番年長のシスターが壇上に上がり、全生徒に向けてこう告げた。
「今年も9月8日が誕生日の方が、この校内にいらっしゃいました」
それを聞いた生徒たちは一斉にパチパチと手を叩く。環はきょとんとしてその光景を見ていた。9月8日といえば環もその日が誕生日だが、それがどうかしたのだろうか?
「それは、神津環先生です!」
いきなり自分の名前を呼ばれて、環は椅子から転げ落ちそうになった。シスターたちに促され、壇上へ連れて行かれる。そこで年長のシスターから、小さな宗教画が入った額縁を渡された。その絵には、赤ん坊のキリストを胸に抱く、聖母マリアの姿が描かれていた。
「あ、あの、これは一体……?」
まだ何が起きたか呑み込めないでいる環にシスターが満面の笑みを顔にたたえて言った。
「9月8日は聖母マリア様のお誕生日なのです。クリスチャンの女性にとって、マリア様と同じ誕生日というのはこの上ない名誉ですから。毎年、生徒や先生の中で9月8日が誕生日の方がいらっしゃる年は、こうしてお祝いを差し上げるのです」
「まあ、そうだったんですか。それは痛み入ります」
「今年も9月8日が誕生日の方が、この校内にいらっしゃいました」
それを聞いた生徒たちは一斉にパチパチと手を叩く。環はきょとんとしてその光景を見ていた。9月8日といえば環もその日が誕生日だが、それがどうかしたのだろうか?
「それは、神津環先生です!」
いきなり自分の名前を呼ばれて、環は椅子から転げ落ちそうになった。シスターたちに促され、壇上へ連れて行かれる。そこで年長のシスターから、小さな宗教画が入った額縁を渡された。その絵には、赤ん坊のキリストを胸に抱く、聖母マリアの姿が描かれていた。
「あ、あの、これは一体……?」
まだ何が起きたか呑み込めないでいる環にシスターが満面の笑みを顔にたたえて言った。
「9月8日は聖母マリア様のお誕生日なのです。クリスチャンの女性にとって、マリア様と同じ誕生日というのはこの上ない名誉ですから。毎年、生徒や先生の中で9月8日が誕生日の方がいらっしゃる年は、こうしてお祝いを差し上げるのです」
「まあ、そうだったんですか。それは痛み入ります」