私立聖ブルージョークス女学院2
校舎の方へ戻ると、片山左京がド派手な色のマントを引きずってカボチャのお化けのマスクを頭からはずそうと格闘しているところだった。環はそれを手伝ってやりながら、からかい半分に言った。
「先輩、けっこうお似合いじゃないですか?」
「あはは、よしてくれよ。生徒に頼みこまれて仕方なくこんな恰好を、いや、穴があったら入りたいとはこの事だよ」
片山が職員室へ続く廊下へ上がって行ったところで、後ろの柱の陰から小柄な人影が猛然とダッシュして来た。それに気づいていた環はその女生徒の襟首を後ろからつかんで、猫をぶら下げるように持ち上げた。
案の定、それは片山にストーカーをしている九条院若菜だった。若菜は宙に浮いた両足をばたつかせながら、環に抗議の声を上げた。
「何をするんですか、神津先生!あたしはただ、片山先生をなぐさめようと……」
「あー、はいはい。片山先生が言っていたのはその『穴』の事じゃありません」
「先輩、けっこうお似合いじゃないですか?」
「あはは、よしてくれよ。生徒に頼みこまれて仕方なくこんな恰好を、いや、穴があったら入りたいとはこの事だよ」
片山が職員室へ続く廊下へ上がって行ったところで、後ろの柱の陰から小柄な人影が猛然とダッシュして来た。それに気づいていた環はその女生徒の襟首を後ろからつかんで、猫をぶら下げるように持ち上げた。
案の定、それは片山にストーカーをしている九条院若菜だった。若菜は宙に浮いた両足をばたつかせながら、環に抗議の声を上げた。
「何をするんですか、神津先生!あたしはただ、片山先生をなぐさめようと……」
「あー、はいはい。片山先生が言っていたのはその『穴』の事じゃありません」