私立聖ブルージョークス女学院2
クリスマスはイブも含めて家族と過ごせるようにという事で、聖ブルージョークス女学院の二学期の終業式は12月23日が原則だ。今年はその日が日曜なので、22日にはもう終業となり冬休みに入った。
環たち教師は28日まで出勤日で、いろいろ雑用を済ませる。26日になって、環は校舎棟の玄関や廊下のところどころに飾ってある小さなクリスマスツリーがそのままになっているのに気付いた。
クリスマスは過ぎているのに片づけもしないとは、この学校にしてはだらしないと思った環はとりあえず職員室の近くにあったツリーをどこかに持って行こうと、抱え上げた。小さなツリーだが結構重い。環がよろよろと歩きだそうとすると、通りかかった若いシスターがあわてて止めに入った。
「あら、神津先生、そのツリーをどうなさるおつもりですか?」
「いえ、どうって、片づけようと思って。とっくにクリスマスは終わっているじゃありませんか」
「いいえ、先生。片づけてはいけないのですよ」
「は?いけない、ですか?」
「ええ、年明けになれば何故か分かりますわ。とにかく、元の位置に戻して下さいな」
環は何が何だかわけが分からないまま、シスターの言うとおりにした。そして28日、教師も年末年始の休暇に入り、環は久しぶりに実家へ帰った。
環たち教師は28日まで出勤日で、いろいろ雑用を済ませる。26日になって、環は校舎棟の玄関や廊下のところどころに飾ってある小さなクリスマスツリーがそのままになっているのに気付いた。
クリスマスは過ぎているのに片づけもしないとは、この学校にしてはだらしないと思った環はとりあえず職員室の近くにあったツリーをどこかに持って行こうと、抱え上げた。小さなツリーだが結構重い。環がよろよろと歩きだそうとすると、通りかかった若いシスターがあわてて止めに入った。
「あら、神津先生、そのツリーをどうなさるおつもりですか?」
「いえ、どうって、片づけようと思って。とっくにクリスマスは終わっているじゃありませんか」
「いいえ、先生。片づけてはいけないのですよ」
「は?いけない、ですか?」
「ええ、年明けになれば何故か分かりますわ。とにかく、元の位置に戻して下さいな」
環は何が何だかわけが分からないまま、シスターの言うとおりにした。そして28日、教師も年末年始の休暇に入り、環は久しぶりに実家へ帰った。