私立聖ブルージョークス女学院2
「ううん、まあ肉などを食べない期間と言ったらいいかしら。ほら、日本でもお正月から始まって、節分とか節句とか、一年をいろんな期間に分けていろんな行事をやるでしょ?キリスト教でも似たような物があるのよ。うちの学校は現代でも取り入れられる物はできるだけ学校行事にも取り入れるという方針なの。まあ、一年ここで働いていれば段々分かってくるわよ」
「はあ、そういうものですか?」
「さあ、着いたわ。ここが今日から神津先生の部屋です。では夕方また呼びに来ますから、それまではゆっくり休んでいて」
「どうも、ありがとうございました」
 環は自分の部屋のドアを一度閉め、また開けて首を廊下に突き出し、すぐ近くのイースターイベントのポスターを見つめて独り言を言った。
「どうして『ラン』と読む方の卵の字を使わないで、一枚残らず『玉』子と書いてあるのかしら?」
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