キミという名のサンタさん
「えっ、いいよっ!祐希っ」
「だって寒いでしょ?」
「うん、寒い」
「ならいいって!」
「もちろんタダでは貸さないよ?」
「なら余計遠慮します」
「貸すって!タダじゃないって言っても、お金とか請求するつもりはないし」
「じゃあ何ですか」
「条件付きってこと」
ポカーンとする私に祐希は微笑み、ふわりと私にマフラーを掛けてくれた。
祐希の香りと温かみが残っているこのマフラー。
やっと冷めてきた頬が再び熱を持ち始めた。
祐希がマフラーを器用に結んでくれる。
その間も、祐希が近くてドキドキした。