キミという名のサンタさん
「あ、ありがと…」
「じゃ、マフラー貸したから…」
そこで祐希は言葉を止め、腰を屈めて私と同じ目線の高さにした。
「明日、俺とデートして」
「え…デート?」
「そ、デート」
「ゆ、祐希……明日、何の日か知ってる?」
「知ってるよ。クリスマス」
「じゃあ…何で…?」
「杏理と一緒にいたいから」
何を言い出すかと思えば……。
もう、頬だけじゃなくて顔全体……いや、体全体が熱いよ。
「杏理、覚えてる?」
「?」
「俺らの秘密基地」
「っ!」