キミという名のサンタさん
「ねぇ、水沢くんっ」
「ん?」
もう、あと1週間もすればクリスマスという寒い時期。
私の席の隣。
窓際の席に伏せていた水沢くんに声を掛けると、彼は顔を上げてくれた。
眩しいくらいの冬の日の光が窓から差し込んで、彼の綺麗な顔をより一層強調させる。
「ク、クリスマスなんだけどさ……」
「うん」
「暇だったりしないかな?」
緊張しすぎて、まともに水沢くんのことが見れない。
“暇であってほしい”と心の中で祈りながら私は水沢くんの返事を待った。