甘い秘密をそっと教えて?

「あ、そんなことないです」

説明するのも面倒になってきた。

っていうか言えないし。


「そう?
あんまり楽しんでないように感じたけど?
ねえ、つまんないんだったらここから一緒に抜け出さない?」


あれ?
このひと…。


黙ったままでいると彼は続けた。

「どうした?
俺の顔にでも何かついてる?」


やっぱり。

支店長と同じ喋り方する。

関西弁じゃない。



「…あの、横浜のひと?」

アタシの突然の質問にまた彼は笑う。



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