甘い秘密をそっと教えて?

「だ…だからって自分の大学ちゃうやないの!
それに勝手に授業参加するって信じられへんわ」


「こんな大きな階段教室、
だれもわからないって。
それになんだか不思議な感じするね」


そう笑って言いながら教室中を見渡す。


早く、
このひとと別れなければ。


今日せっかく支店長と約束してるのに。

この授業で終わりだからそのままダッシュで駅に向かって…
って予定だったのに。


ちらちらと腕時計を見ては時間を気にする。


はっきりと言いたいけど彼がそんなに悪いひとじゃないから。

そうきつくも言えない。


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