甘い秘密をそっと教えて?



カフェを出てふたり並んで梅田駅まで向かう。


同じ京都まで帰るのでも大阪からは何種類か手段がある。

本当は別々の電車で帰るほうがお互い都合がいいんだけど、
アタシに合わせて一緒に烏丸まで帰ろうって言ってくれた。



なんか嬉しいな。


「…すき、だいすき」


雑踏の中、
小さな声で言ってみる。


彼にその言葉は届いたのか、
届かなかったのか。

それでも
アタシのほうを見てやさしく笑う。


それだけで熱がでたみたいになる。

季節柄、
蒸し暑いんだけど。


そういうんじゃなくて。


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