甘い秘密をそっと教えて?

「あ…あの、
アヤシイって…?」


「あれ、
あのふたりなんかあったんちゃうの?
って感じなんよねえ」


アタシはできるだけ自分の気持ちを落ち着かせようと。

そう、
「なんかあった」って、
それはアタシも知ってる。

元カノだって聞いたもん。

でも今はなにもないって言ってたし。

っていうか全然知らないひとにもわかるような態度に出すって…。



久我さん、
どういうつもりなんだろう。


「なんかあったって…、
それってどういう…」


「ホラ、
支店長ってすごく仕事ができて他の追随を許さないっていうか。
だから近寄りがたいイメージやん?」


「はあ。
そうですね…」


そう、
木津さんのように思うのが普通のひと。

でも
久我さんは違った。


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