甘い秘密をそっと教えて?

「アタシがまだ店に彼が必要だと報告すれば、
まだ残ることになるんだろうけどね」


アタシの驚く表情に彼女は勝ち誇ったように笑う。


「どう?
だから彼をアタシに譲りなさい。
そうすれば京都にまだ必要だって報告するようにするから。
嫌なんだったら彼を東京に連れ戻す」


は?

いきなりなに言ってんの、
このひと。

だって別れたんでしょ?

別れたんじゃないの?



「あの、
それってどういう…」


「別れて1年くらいになるけどね。
やっぱりアタシには彼が必要なのよ」


何も答えられないアタシに彼女は言葉を続けた。

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