甘い秘密をそっと教えて?

さっきから彼女ばかり一方的に話し、
アタシはずっと黙ったまま。


「…でも別れて1年たって…。
仕事上、ううん、
プライベートでも彼が必要ってことが離れてわかったの」


なんて嫌な女!

そんな話してどうすんのよ。


「あのっ!
それは…!」


やっと出たアタシの言葉を遮り、
トドメを刺すように彼女は言った。


「今度の金曜夜に東京に帰るから。
それまでにさっきの話、
考えておいてね」


呆然とするアタシを残し、
彼女はハイヒールをカツカツ鳴らして店へと戻って行った。







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