甘い秘密をそっと教えて?
そして
アタシは三条河原町で降車する。
夕方過ぎ、
ひとが増えてくる時間帯のようで河原町通の歩道にはあふれんばかりのひとが歩いていた。
どこに行くって決めてなかったから歩くスピードも自然とゆっくりになる。
そんなアタシをたくさんのひとが追い抜いてゆく。
……夕陽が、キレイだなあ、
そんなこと思ってみたり。
けれどセンチメンタルな気分になったかと思うと突然、
街を歩くひとたちが心なしかみんな楽しそうに見えるのが腹立たしくなってきたり。
みんなアタシみたいに不幸になってしまえ!
不幸のどん底に落ちてしまえ!
小さく手でピストルを形どり、
片っ端から歩いてるひとに向けてみる。