甘い秘密をそっと教えて?
でも起きていたとしても特にやることもないし。
しばらくぼんやりしていたけれど嫌なことばかり、
考えてため息が出る。
久我さんとは今日、約束しないといけないから。
アタシは天井を見上げてつぶやく。
「うーん。……よし」
そして
机の上の充電器に置いておいた携帯を手に取り、
しばらく見つめ、
それから以前に聞いていた久我さんの携帯番号を呼び出し電話をかける。
勢いつけてやらないと勇気がくじけてしまう。
今日、彼女に会わないと。
今日しかないんだから、
もう時間がない。
アタシが支店長を諦めたって思われる。
絶対、そんなのやだ。
携帯を確かめると時計は6時前を知らせていた。
ちょっと早いかもしれないけどま、いっか。
どうせ相手は久我さんだし早朝とか気遣いは不要だ。
「もしもし?」
「もう…こんな朝からなんの用事ー…?」
電話の向こうからけだるそうな声が聞こえる。