甘い秘密をそっと教えて?
―――京都駅18時。
授業があるから会うのは終わってからと頼み、
19時過ぎの新幹線に乗るからそれまでなら、
ということで久我さんと約束した。
平日だというのにひとが多い。
でもやっぱり京都駅にいるひとはたぶん、
地元のひとよりもよそから京都にやってきたひとのほうが多いと思う。
そして
その地元じゃない東京のひととアタシも会おうとしている。
「なんで、俺なんだよ?」
樫原くんがムスっとした顔をして言う。
それはアタシが呼んだから。
ひとりでなんとかするって言ってもやっぱり不安なところがあるから、
樫原くんを呼び出して付き合ってもらうことにした。