甘い秘密をそっと教えて?

「男ってー、
特に好きな女性には頼って欲し…
聞いてる?」

ぼーっとしているアタシに樫原くんが確かめるように尋ねる。

言ってることは聞こえてるんだけど。

彼の言葉よりも久我さんと会うっていう緊張感と、
でもその緊張感が消えたかと思ったら…

ぼんやりして欠伸を噛み殺したり。


「ああ、ごめん…今、なんて?」

うーん、
やっぱダメだわ。


「いや、いい。
お前らの仲を取り持つ気はないから」

そう言って彼は苦笑した。



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